1/12
口紅というものに幻想を持っている。
ジェネラル・ルージュの凱旋という作品、特に映画の方で、堺雅人が口紅を引くシーンがあるらしい。それが僕の母親のフェティシズムを刺激するようで、とにかく良いのだとよく言っていた。
一生自分から手に取るような品物ではないが、女子になったら絶対に使ってみたいアイテムでもある。
口紅で鏡に文字を書くやつ、よく海外の映像作品でやられてるけど、あれがやってみたい。
彼氏と同棲している家で喧嘩をして、うんざりして出ていった彼氏を涙目で見送ったあと、ヤケになって鏡に恨み言を書きなぐってみたい。そのあと、おもむろにカッターを取り出して(カッターを持ち歩くタイプの女子なので)、震える手で汚れてしまった口紅の表面をバターのように削り取ったあと、唇に塗り直して、鍵もかけずに部屋を飛び出していきたい。
僕は結構ネチネチとした女なのかもしれないな。
自分が女だったとしたらどんなだったか、という想像をよくしている。僕の見た目が男性全体のヒエラルキーの中でどの辺りに位置していて、それは女性のピラミッドでいうなら誰にあたるのか、という。
この間見つけたところだと、角元明日香さんがそうだった。
このツイートの写真を見たとき、これ、女性だった場合の僕じゃない?と思った。
(◜௰◝) (角元) pic.twitter.com/sM7N9r0VfG
— 角元明日香_official (@asukak_official) January 8, 2020
でも角元さん、絶対に僕が女性だった場合に位置するところより上にいるんだよな。僕似の美人なんだよ。あと、この写真が特に僕っぽい感じがするだけで、ほかの写真だとそうでもないし。
こんな自分を実際よりちょっと上に見てしまうなんて話、なかなか人にはできないのだけど、この間友達にこっそり話し、自分が女性だったら誰だと思うかを聞いてみた。
しばらく考えた後、「瀬戸麻沙美」ときた。
これは結構すごくて、僕=角元明日香より全然しっくりきてしまった。
言い出しっぺよりいい回答を出された謎の敗北感から、今でもずっと僕っぽい女の人を考えてるけどなかなかこれ!って人が見つからないでいる。
そもそも僕がメガネをかけてるのが悪いんだよな。
メガネって矯正器具で、本来あるべきではないものなんだから。メガネの美人は大抵メガネなしでも美人なんだから。
世の中的にもメガネから脱却しようとする向きがあるじゃないか、コンタクトや、レーシックっていう。人は潜在的にメガネを捨てたいんだと思うわ。
(みたいな話は前もしてたんで、ちょっと今情けなくなった)
僕は自分でも思うぐらいメガネ込みでイメージが完成してる気がするので、僕にあたる女の人として「メガネの女性有名人」を探さなきゃいけないんだけど、まあメガネと一緒に有名になった女の人っていないんだよな。どこかでコンタクトに負けてるんだよ。
僕みたいな女の人を見つけたら言ってください。
ちなみに、単純に僕の今の顔に似た有名人は、平野レミだそうです。
SNOWに言われた。