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僕は自分の知らない世界で生きてる人間に一発で会えるという点に関してはインターネットが大好きなんですけど、最近それが高じて文通のアプリを始めたんですよ。登録する時に趣味や興味のある話題を選ぶことで、同じテーマに興味を持つ世界中の人と自動でマッチングして文通ができるというやつ。

 

アニメやゲームが好きって選択すると、割とすぐに似たような趣味の子とマッチしまして(そのあとすぐに何人かとマッチしたので、本当にもしかするとだけど、アニメが好きな日本人と話してみたいって人は多いのかもしれない)、プロフィールを見る限り歳も同じくらいの子で、インドネシアに住んでいるとのこと。向こうから「こんにちは!私はこれこれこういう人です。あなたは何してるの?趣味とか教えて!」的なことを英語で聞かれるので、日本語で返事を書いた後に英文に翻訳して送り返す。中学の英語の授業みたいなシチュエーションですよね。

このアプリ、自分の書いた文章が相手に届くのにわざと十数時間〜数日のラグがあるようになっていて、普通のSNSとは違ってポンポン話が進んでいかないんですよ。文章をしっかり作って、向こうが知りたいことを答え、返しやすい質問を送るという古き良き文通の雰囲気が再現されてるんですね〜。

僕は海外の同世代の人が何をおもしろがってるのかが気になっていたので、「最近見てる作品とかある?」とその子に質問したんですよ。すると「〇〇ってチャンネルを見てるよ!」と返ってきたわけです。

僕は知らなかったんですけど、そのチャンネルは日本人のYouTubeチャンネルで、しかも結構人気らしいんですね。動画の内容は一言で言うと「『鬼滅の刃』のなりきりをしてる人達による荒野行動の実況」。僕は胡蝶姉妹が出る回と甘露寺蜜璃が出る回を見たんですけど、なんというか……これは普通に生きてたら絶対に知ることがなかったはずの文化だなあという感じ。

正直喋り方以外はほぼ作品と関係ないんですけど、数万再生をコンスタントにとってるってことはどこかの層の需要をガッチリ掴んでるんだろうと、ただこの層は自分とはまるで別の世界にいる人なんだろうなあと。その一人と繋がりを持ち、こうして知らない世界を知ることが出来ただけでもあのアプリを始めた価値があるかもしれないですね。

 

この動画チャンネルに限らず、「実は良さがわからないもの」は他にもたくさんありまして。

僕はボカロをまるで通ってきてなくて、聞くと「おっ、人の歌い方じゃない曲だな」とだけ思うんですよ。2週間ぐらい前に生まれて初めて『メルト』を聞いたんですけどまるで良さがわからなくて。

や、名曲なのはわかるんですよ。この歳で名曲を聞いて「ちょっと俺は良さわかんないっすね……」って言うのが痛いこともわかる。もう、100%僕が悪い。ビールの良さがわからないようにボカロの良さがわからない。きっと僕にはボカロを分解する酵素がないんだと思います。ボカロパッチテストをしたら腕真っ赤になるような人間なんだと。実際ちょっと聞いてて悪いタイプの鳥肌は立つんですけど。

実は『君の知らない物語』の良さもよくわからなくて、あれが流れたために生まれるオタクが全員盛り上がらなくちゃいけない雰囲気(そんなものあったか?)に正直困っているんですよね。まああの曲は物語シリーズの思い出と一緒に楽しまなきゃいけないものなんだろうけど。

supercellを通ってこなくてすみませんでした」と一言謝れば済む話なんですけど、いつも誰に謝ればいいのかわからなくなるのでここに謝罪を置いておきます。

 

ただ、自分には良さがわからなくても「これを好きな人達かどこをどう好きなのか」を知るのは意味があると思うんですよね。

自分にはわからないものを無視するのではなく、何がいいん?これは……と気にする気持ちを大事にしようと思って、ボカロも、ビールも、デーブ・スペクターのリプ欄も(それに歪んだ感情向けてるの何回擦るの?)、右翼も、左翼も、神秘系のTwitterアカウントも頑張って向き合おうとしています。いや、曲や食い物はまだいいんだけど、他人の思想を追いかけるのはおかしくなりそうなのでやめた方がいいかなとも思っていますね。

 

なんかこのブログ、もうすぐ延べ3000回見られたことになるらしいです。特にその記念とかをやるつもりはないんですけど、キリのいい数字というものは気持ちがいいものですね。

ジャスティン・ビーバーに今一番ハマってるブログはこれなんだよね!みたいに紹介してもらってビルボードに載りたい気持ちもなくはないんですが、そうすると僕は企画枠で紅白に出て、白熱電球の交換キャンペーンにも携わらないといけないので、ちょっと難しいところですね。