【御手洗 流】昨今の情勢について。【期間限定無料コンテンツ】 

 

 

 

はじめに

こうしたまとまった内容のエントリは、普段は私の運営しているオンラインサロンの会員の方限定の有料コンテンツとして配信しているものです。

ですがまあ、近頃は事情が事情なので、私自身の中でも自分の考えだとか、ひとりひとりがどういう行動をとったら良いのかとか、そういったことを会員でない、ないしはフォロワーでない皆さんに向けて発信するのもいいんじゃないかという思いがありました。

ただこれは、わざわざこんなオッサンの記事をいつも読んでいただいている物好きな方々にとっては、ペイしているリミテッドなものがそのバリューを失うということになるわけですから、私一人では判断が出来ないでいました。こういう状況とはいえ、お金を払っていただいている方々への義理も通さなきゃいけないだろうと。ではどうするべきなのか、考えをまとめる時間をとっていたわけです。まあこれは、会員向けに週一回開いている生配信でポロッと言ってたりもしたんですが。

それを受けて何人かの会員さんから「ぜひ先生の普段の記事を皆さんに見せてあげてくださいよ!」と(私は決して自身を「先生」と呼んでくれと頼んだことはないし、恥ずかしいからやめてくれと言っているのですが、サロンの会員さんたちは敢えて私をこう呼ぶのです。意地悪な人たちですよね 笑)意見をいただきまして、試しに先日の会員向け生配信でアンケートをとってみたんです。「試しに1本、普段の記事を多少噛み砕いたようなものを無料公開しても良いか」と。

するとほぼ全ての方に快く賛同していただきました。そういうわけで、このたびの公開に至っているというわけです。私は普段通りエントリを書いているだけなので、主に会員の方々のご厚意ということになりますね。

 

自己紹介 

自己紹介が遅れました。御手洗 流(みたらい ながる)と申します。

初めて私のエントリを読むよという方もいらっしゃるかと思いますので、軽く自己紹介なんかも兼ねて、最近の状況を書いていこうと思います。

仕事……ですが、まあなんですかね、実は未だに一番伝え方に困るところなんですよね、仕事って。私と違う業界の方には特に、端的に「こういう仕事です」ってのが伝えづらいんですよ。手広くやってはいますが、どれがメインというわけではないので。そもそも「〇〇をやっている者です」という自己紹介をしたくなかった時期があって。まあ若い時ですが。仕事ではなく私自身を見てほしいと。なかなかヤンチャな若造だったんですよね。それで、周りの大人たちに必死に齧り付いて、自分はあんなことも出来る、こんなことも出来るとアピールして見せてたわけで。おもしろい奴だと思われることで、あちこちに自分を売り込んだり、逆に声をかけてもらったりして生きてきた私ですから、特にこれといった自分を表す職業はないと思ってるんですよ。だから基本的には「呼ばれればどこでも首突っ込むような、業界の流れモンです」みたいな、つまらない自己紹介をしてますね。一応きちんとした場では「グローバルプログレッシブアートインコンサバティブネーションオーガナイジングスクラップアンドビルダーの御手洗です」と、ちゃんとお伝えしていますよ。

今は都内に住んでいます。以前は名古屋、仙台に住んでいたこともありました。これはその当時一緒に業界でふざけてた奴らとの、アジト……とでも言うんですかね、たむろしてたスタジオがありまして、そこに半分住んで、用があれば関東でも関西でも飛んでいくみたいな生活をしていたこともありました。

今はもう体力もないオッサンなんで、あちこちに動き回るためのリソースをもう少し腰を据えて働くのに回そうということで、依頼がいちばん多い都内で生活をしているという次第です。

 

最近の話

さて。自己紹介はここら辺にしまして、少し最近の私周りのお話をしたいと思います。

舞台方面で元気にやってる古い付き合いの奴がいまして。ちょっと名前を出すと怒られちゃうんで、伏せさせてもらいますが。そいつがどうしても私に紹介したい子がいると。彼のやっているアクターズスクールの練習生の子らしいんだけども、そこでやってる通常のカリキュラムなんかはてんでダメだと。ただどうも光るものがあるということで、荒療治じゃないがちょっと私に会わせるなり付き人をさせるなりして、この原石を磨いてみてくれないかという話でした。

そういう話はこれまでにも何度がありましたが、私は基本的にお断りしていました。私はあくまでも幕の裏側からちょっかい出したいような人間なんで、舞台に立つような人間たちはそうした奴らの存在を認識こそすれ、理解してはいけないと思っていたのです。ただ今回は、頼んできた彼の気合いが違う。そこで私も面白半分で引き受けてみたんです。

そうして彼が連れてきた子が、なんともまあ、臆病な子犬みたいな女の子で。ビクビクしてるわけです。まあオッサンからオッサンに引き渡されるわけですから何されるんだろうという不安もあるんでしょうが、それじゃ舞台どころか普段の生活だってやりづらくないかいという感じで、まともに話ができなかったのです。ひとまずこの子を知りたい、預かりたいということで、翌日から私の事務所に来る約束をしてその日はお開きとなりました。

で、明くる日からその子に来てもらうことになったんですが。それはもう無口で、じーーーっとしている子なのです。座ってと言わなきゃ座らないし、なんか食うかい飲むかいと言わなきゃ何も口にしないし、挙句ふるふる震えだしたんでどうしたのか聞いたら小さな声で「トイレに行きたい」と。とにかく自分から何か感情を出すということができない。まあ、最後のは私もちょっとデリカシーに欠けていたかもしれませんが。

じゃあちょっと君座りたまえと。もうわかった、君がそういう子だというのはよくわかったと。私の方から降参することにしました。あまり自分ではそう思わないけど、確かに君みたいな女の子から見たらおじさんは怖いかもしれないから、辛いなら、帰りたいなら帰ってもいい、君を連れてきた彼にはそれは言わないでおくから、私の方でうまくいっておくからと。

そうしたら別に、帰りたいわけでもない。ただ、どうすればいいのかはわからない。そうぽつり、ぽつりと言ってくれました。

ああ、そういうことならもしかすると、朗読なんかがいいかもしれないね。君はきっと感受性が豊かなんだろう。自分の行動で人がどういう反応をするか、どう変わるかが気になって、いろんな想像が及んで、怖くて、動けないでいる。それなら、こう言っちゃ何だが「別の何か」を憑依させてみるのはどうかなと、そんなことを言いました。

彼女もそういうアドバイスをされたのは初めてだったようで、それはもう熱心に聞いてくれて、じゃあ何かピンとくる本を探して、その朗読をしたいと思います、ぜひ見てくださいと言ってくれました。

その後、練習をしたいので1週間ほど時間をくださいと言われたので、じゃあ私の事務所のスタジオを好きに使うといいと言ってしばらく自由にさせてみることにしました。一人でもの作りに打ち込んでいるときの彼女はかなり生き生きとしていて、案外クリエイター気質なのかな、と思っていました。

そうして一週間が経ち、彼女が私をスタジオに呼びました。私はその日、現在進めているプロジェクトのMTG(と言っても仲間とおしゃべりしながらアイデアベースで企画のタマゴを作るふざけたものですが笑)が入っていたのですが、これをちょっと遅らせてもらって、時間を作りました。あれですね、私は家族を作らない選択をしたので今まで経験がありませんでしたが、子供がいる親ってのはこういう感覚なんですかね。まるで授業参観でも見に行くような気分で、彼女のいるスタジオに足を踏み入れました。彼女はすでに本を手にしていて、私が椅子に座ると朗読を始めてくれました。

「『天国から来た女の子 かなで9歳』。わたし、かなでは天国から来た女の子」

「……」

「生まれるまえ、わたしはお空のくもの上にいたの。くもの上からこのせかいを見ていて、いまのお母さんを見つけて、おりてきたの。お母さんに」

「…あのー」

「…そのはなしをした時は、ほんとうに?って言っていたけど、お空でのことや、おとうさんとおかあさんがあった時の」

「オイオイオイ、あのごめんごめん。こういうの、途中で切るのは本当に申し訳ないと思うんだけど。ちょっと……その、君が一週間必死に練習していたのはその…なんて本だっけ?」

「『天国から来た女の子 かなで9歳』です」

「そっかそっか…あれだね、電車の中吊り広告とかでたまに見るやつかな」

「そうですね、いいな、と思って」

「あ~、ああいうのいいなと思うタイプの感受性ね…」

「え?これ本当の話じゃないんですか?ほら、かなでちゃんが表紙になってるじゃないですか」

「あ~、こういうのちゃんと信じられるタイプのピュアさね…。これを読んで、君はどうしようと思ったの?」

「こういう、60代女性とかの人生観を変えたいなと思って…」

「絶対やめとけよ、帯に書いてある一般人のコメント真に受けるのは」

「…え?何か違うん…ですか?この11歳男子の『この世に生まれてきた理由がわかりました。お父さんお母さんに感謝しようと思います。』ってコメントは?」

「あるわけねーだろそんなこと、11歳男子が9歳女子の文章見て素直に感度するかよ、一番プライド変になってる時期なんだから、つまんね!知らね!で終わりだよこんな本は、11歳男子の感情のリサーチが足りないよ」

「そうですか…じゃあこの本は…」

「今回は違うのにした方がいいかもね、ちょっと、おじさんどうなんだろうと思っちゃうな」

「あの、実はもう一冊、『Think of Everything~『鳥の目』で考える15のビジネスマインド実践法~』って本も用意してきたんですけど…」

「君はあれだね、自己啓発本のターゲットど真ん中の子なんだね」

その後ほどなくして彼女は友人のところに帰りましたが、この経験は大きいものだったようで、今は彼の元で嘘のように元気にやっていると聞きます。果たしてそれが私のおかげなのか、彼女が行った書店の本棚のおかげなのかはわかりませんが。

 

この子の話は以前コラムでも書いたので有料会員の方は「もう知ってるよそんな話」と思っているかもしれません。申し訳ないですね。

まあそんな中で思ったのが今の若い子ってみんなこんな感じなのかな、ということです。強い主張があるわけでもなく、純粋で、影響を受けやすい。これはね、いいことだと思うんです。いわば何も描かれていないまっさらなカンバスの状態なわけですから。存分に影響を受ければいい。他人が自分のカンバスに色をのせることもあるだろうが、それを生かしてもいいし、上から別の色で塗りつぶしたっていい。そういうことが楽にできるようになった、やり直しがきくようになった時代ですからね、私の頃はそういうことは難しかったわけですから、恵まれてるな今の子は、それを存分に生かして欲しいなと思っています。

 

家の中でどうすべき?

家にいることが多くなった昨今ですが、こういう時期だからこそ人から存分に影響を受ける時間を取って欲しいなと思っています。こういうことを言うと、どんな本を読めば?とか、どんな映画を見れば?とか聞いてくる子が、若い子なんかは特にいるんですが、そんなものは自分で決めればいいんですよ。本や映画を楽しむのはもちろんいいが、無理して摂取する必要はない。YouTubeとかね、見ちゃえばいい。テレビ千鳥とか見ちゃえばいい。おに魂聞いちゃえばいい。FPSとかやっちゃえばいい。

インプットっていうのはね、食いたくもないものを食うことじゃないんです。あなたが例えばビュッフェにいるとして、料理を見て「美味しそうだな」と思ったものを手当たり次第取るようにコンテンツを楽しめばいい。ちょっと体にいいものもとろうかな、そう思ってサラダを取るように、自分にとって「勉強」に思えるものを取ればいい。今はみんなが街頭テレビで力道山を見ていた時代じゃないんです。あなたの感性にピンと来るものを手当たり次第皿に取って、その一つ一つがどんなに俗なものだったとしても、テーブルに持ち帰った時にはあなた自信を表す、あなただけのワンプレートになっているのです。それを誇っていいのです。

そうして存分にインプットしたものをね、これは別になんでもいいんですが、できればアウトプットするといいと思います。

すでに実際いろんなところでタレントの方、一般の方がやってますけども、クオリティなんかはこの際どうでもいいんです。一個形にしてみてですね、どんなもんかなという。映像、文章、音声、造形、いろんなやり方がありますが、この「形にしてみる」という作業の中でも一番簡単というか、やりやすいのが「料理」なのかなと考えています。こういうことを言うと特に普段家で料理をされている方に怒られちゃったりするんですけども。あの~、普段頭ひねって三食用意しているような方がいるおうちでですね、大して料理もしないような家族が「ちょっとキッチン使わせてくれよ」なんて言って、材料なんかも小遣いで買ってきて、パンケーキなんか作っちゃったりして。ちょっとこだわってみちゃったりなんかして。それで、「なんだ、飯なんて簡単じゃねえか」と。そういうことを言うと普段料理作っている方怒っちゃいますからね、そんな一時の思いつきで一回料理作ったぐらいではね、普段の食卓を維持する苦労なんてものはわからないですから、普段しない方が料理に手を出すときはね、自宅の厨房を司る方に敬意を表しながら、謙虚な気持ちで臨んでください。

え~それで、まあ、アウトプットの話ですね。今いろんな人がいろんなものをアウトプットされてますが、誰もがそれに疲れる瞬間というのがね、必ずきます。これはもう、来なかったら私を悪魔だのペテン師だの呼んでくれて構いません。必ずくると私は考えていますが、そういう時、あなたの周りのエンターテイナーが皆疲れてしまった時、あなたが何かアウトプットできて、せめて家族の一人、友達の一人、フォロワーの一人、フフッでもヘヘッでもヒヒッでもいい、笑わせられる人間になれる準備をしておくといいと思います。これは普段私のオンラインサロンの会員の方にはよく言っていることですが、普段は受け身で全く問題ないと。ただいつでも思い立った時に攻められる人間になれと。そう伝えています。

 

終わりに

こうした状況がね、いつまで続くかはわかりません。ただお願いしたいのはですね、あの、普段私が聞いているラジオ番組、あれが隔週配信になっちゃったんですよ。あれをどうにか毎週配信にしてほしい。いや、難しいのは重々承知しているんですけれども、どうにかならないもんかなと。ちょっと、2週続けて同じ話は流石に萎えちゃうんですよね。まあできない理由をよくよく理解しているつもりなので、「こうだったらいいのに」ベースの話ではありますが。早くこの状況が終わってくれないかなあと、そう思っておりますね。

 

さて。少し長く話しすぎてしまいました。

こんなに書いていると会員の皆さんに「普段のコラムもこのぐらい気合を入れろ」と言われてしまいそうなので、この辺にしておきますね 笑。

今回の記事で私のオンラインサロンに興味を持った方はぜひご連絡ください。あまり大所帯でやるものでもないと考えているので入会には基本的に会員3名以上の推薦が必要だったのですが、ご連絡いただいた方でおもしろそうだな、と思った方とは私が直接(もしくはHangout等)でお会いして、入会とさせていただければと思います。試験、というほどのものでもないですが、落ちるときは落ちます 笑。まあ、気負わずにお声掛けください。

内容は週1本のコラムと隔週の動画配信(緊急性に応じてそれ以上の頻度になることもあります)、定期開催のオフラインイベントの招待を含めまして、月額2800円(税別)となっています。そうですね、高いと感じられる方、安いと感じられる方、それぞれいらっしゃるかもしれません。しかしもし若い頃、駆け出しの頃の私がこのオンラインサロンを知っていたなら、迷いなくペイしていたと思います。まあ、これは私の価値観なので、みなさま自身の価値観と照らし合わせて、見極めていただければと考えております。

というわけで、お知らせでした。

 

今回のコラムは以上となります。

それでは、良き日々をお過ごしください。御手洗 流でした。