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もう今となってははっきりと言えるんだけど、デカい事務所所属のVTuberになりたい。

思えば僕はずっと昔からそうだった。初めてなりたいと思ったのは天才てれびくんてれび戦士で、そのあと神木隆之介になりたいと思った。そういえば僕の名前の候補に「りゅうのすけ」というのがあったらしく、もしそうだったら名前が彼とニアミスしてたという持ちネタがありますね

バラエティなんかで活躍する子役を見ては、あれが自分だったらと思っていた。考えてみれば、そうした憧れとジェラシーをないまぜにした気持ちを向けてたのは主に子役に対してだった。自分より上の世代の芸人や俳優に憧れるみたいなことはなかった気がする。

 

「芸能界ってこんなもんですよ」みたいな眉唾もののネット記事を見て、自分なりにタレント1本で食っていける人間なんてひと握りなんだってことを飲み込んでからは、「人前に出る仕事」ってのは、自分には縁遠い、才能と輝きを持った人が運良く生きていける場所としてってものを見てた。んだけど、VTuberはさあ……なんか違うよね?

必ずしも何かがすごくなきゃいけないわけじゃないよね?浮世離れした雰囲気や卓越したスキルで売れてる人もそりゃいるけど、結構人間味でウケてる人いるよね?

「今日バイトしてました」とか「元会社員です」とかをさ、彼らは言うじゃない。や、それが本当なのかは知らんよ?僕もちゃんと追ってないからさ。でもそういう「俺らとの近さ」がウケてる子がたくさんいるじゃない。

そもそもだ、元々半分一般人として配信だったり芸能活動やってた人を連れてきて、見た目、経歴、立場をすげ替えてVTuberとして出したらさ、売れる売れないはその着ぐるみから滲み出てくる人間味がどうウケるかってだけじゃない。

 

そんなんズルいわあ。

僕もなってみたい、人間味で評価されるなら、僕も評価されなきゃおかしいよ。だって僕こんなに、いい人なんよ?

こんなに……

……まあ、正味いい人なんだよ。

 

ってなことをずっと考えてる。他のステータス全部無視して人間性一本勝負ならまだギリギリ、どうにか、勝てるんじゃないかとぉ、思っておりますぅ…………

 

まさかこの歳になって、子役に憧れと嫉妬を向けてた頃のような感情を抱くとは思っていなかった。基本的に自分の行動原理はいいなと思ったものを何とか自分の手持ちで再現できないか、みたいなところにあるので、こういう舐め腐ったことを考えてしまう。

 

人間性問題で言えば、性格診断?適性検査?みたいなの、「あなたはどういう人ですか」、「こんな時どうしますか」みたいなのを最近やらされまくってて、自分がどういう人間なのかがわからなくなってくる。

運動とか勉強は人と明確に比較できるけど、性格、精神を比較してどっちがどう、みたいなのはなかなか言いきれない。

ファンタジーでよく「勇気を持つ者でないと扱えない」とか「宿っている悪魔が使用者の精神を蝕んでいく」みたいな設定の武器があるじゃん。あれをさ、男の子である僕は「(わかんねーけど)俺なら使いこなせる」と信じて疑わなかったわけだよ。エヴァでアスカが受けた精神攻撃だって、僕ならなんともないけどね、と信じて疑わなかったわけだよ。きっと自分は、精神的に強いんじゃないかと。常に自分を観測し続けている自分がいる、これを見失わない限りはこう……御し続けていられるんじゃないかと、思ってたわけですね。精神力なんてものは自分のしかわからないわけだから、最強にも最弱にも思えるのよ。

なんか、自分のパラメータがわかる適性検査みたいなのをやってみようと思って、適性検査で検索して、なんか登録もいらなさそうなやつをやってみたんだけど、その結果がこれ。

 

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こんな、可もなく不可もなくな六角形なんだわ。どっか強みがあったり、弱点があるのを期待してたのにまあ〜当たり障りのない一般人だったわけだ。真っ先に使徒の精神攻撃でダメになるし、組織の洗脳で闇落ちするタイプなんだわ。これじゃ、どんなに良い着ぐるみを着たところで人気配信者にはなれないよ。

 

もしVTuberになって切り抜きになったとして、

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背後から撃たれてメスの声を出す自称人気コスプレVTuber

4/22 22:00~配信「【Apex】今日は絶対に勝ち残ります、私は……本気です。【御伽なとむ】」より)

 

はいどーもー!

◯◯ 13期生、バーチャルコスプレイヤーの御伽なとむでございます〜!

(中略)

いや〜今日はですね、ワタクシ、本気でございますからね、触れるもの全て、DOTAMAをブチ抜くサマをね、ご覧に入れましょうという心持ちですが……

(中略)

だから結局さ、茹でトウモロコシの食い方の正解が

アフゥッッッ!!

ッイツツツ……チョ、ヤバイヤバイマジでこれは、後ろから?後ろから来たんだけど、

1回落ち着こう、1回落ち着こう、いっか

あ!

……ッフフフ、はい……。ッフーーーーーーーーー……

(その後、コメントにて)

「またメスの声なってたわ」

「恥ずかしくないの?」

「やっぱり女の子じゃないか……

ん?あ〜、ッハハ……なんでですかね?負けると女の子になっちゃうんですけど、負けヒロインになっちゃうんだけど。

流行んないかな?イケメンが負けてTSする系のさ、こう……ね、フフフ……

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ぐらいのもんだよ。切り抜かれたのにこの程度だよ。

情報もないからさ、見てる人間がイジるにしたって声ぐらいしかイジりしろがないわけだよ。で、仕方がないからこっちサイドで性的嗜好を盛って、歪みみたいなのを作ってどうにか取っ掛りを作ってってさ、でもこんなんじゃあジリ貧なんだよ。

こう……なんの努力もなしに愛されたいんだよな、素で愛嬌がある人間になってさ、なんでもないエピソードをぽつっと言ったらそこから普段の人間性が偲ばれるみたいな、そういうポジションで、無理なく長く続けていけるVTuberになりたいね〜、みたいなことを考えてる。